弐寺破壊録カイジン 第一話「プロコン」
※この物語はフィクションです。
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客A「俺スタンダードモード!」
店員A「はい120パセリ!」
客B「ああ俺にも!」
店員A「はいよ、Pフリー12分ね!233パセリ!」
客B「ランダムレーンチケットも!」
店員A「はいはい、合計533パセリ!」
客C「俺はタイムフリーね!」
店員A「はいはい、100パセリね!」
カイジン (馬鹿が…欲に流れて夢も追えないのか!自堕落な連中め!Pフリー1回233パセリ?233円だぞ?ステポの倍以上の値段だ!あんな調子で使ったら、あっという間にこんな金、消し飛ぶ…。なのに、コイツらときたら…救えねえ、クズが…!俺は違う、俺は貯める!このひと月20000円分のパセリを、8ヶ月の間半分に節約すれば80000円!あのプロコンに届く…届くんだ…‼︎となりゃ、誰が使うか!…使うか‼︎…クソ…。)
だが、頑なになればなるほど、その反動は大きい!
カイジン (それにしても…なんなんだ、この胸のざわめきは……ハッ、そうよ!買える!俺は買える!今の俺なら買える!動画…チケット…Pフリーも!!ァ…クソッ‼︎)
店長「ンフフフ…わかるよ〜カイジンくん。」
カイジン「!!…あ、テンチョウ!」
店長「インフィニタスだろ〜、考えることは一緒だ。」
カイジン「え?」
店長「ワシも最初そうだった…となりゃあこんなところで使っちゃいけねえよなぁ?けど、無理はいけねぇ、無理は続かない。自分を適度に許すことが、長続きのコツさ!」
カイジン「は?」
店長「ワシの奢りだ、カイジンくんの初節約のお祝いさ…金は取らねぇよ…」
カイジン「あ、テンチョウ…」
カイジン (ああ、ああああ…バチバチにメンテしてやがる!あ…ありがてえ…!うぅ涙が出る!!!…はは犯罪的だあああ!!楽しすぎる!誰もいない連コ環境とゲーセンの暖房で火照った中1ヶ月ぶりのPフリー!!沁み込んで来やがる…カラダに…!!)
客C「……(バチバチ)」
カイジン (ああ…こんな神環境を自宅に作れたら…ああ…クソおおぉ…クソ、クソぉ!!しかし、やろうと思えばやれなくもない。10000パセリずつ貯めれば8ヶ月、だが16000パセリずつ貯めれば5ヶ月で届く!プロコン購入まで3ヶ月短くなるってことだ!てことは1ヶ月に使えるのは4000パセリ…5ヶ月、その気になれば…。…馬鹿、ダメだ!5ヶ月でたったの20000パセリだぞ⁉︎その間どうやって成長する?クソ、ダメだ…耐えるんだ…)
カイジン、耐える。必死に耐える。…だが!
店員A「はいはいはい!ん?何?なんなのカイジンくん?」
カイジン「……だけ……」
店員A「ん?」
カイジン「……1回……」
店員A「1回?それって弐寺かい!?beatmaniaIIDXを、1プレーってことかい!?」
店員B「はい!カイジンくん1プレーお買い上げ!!」
カイジン (1回はいい…考えてみれば、一日は我慢した…今日は特別な日!)
店員A「はいどうぞ〜、んでモード選択は?せっかくやるんだよ?ステポだけじゃ味気ないって!払おうよ、何でもいいからさぁ!」
カイジン「……んじゃあ、そこのタイムフr」
店長「フフ、へただなあ、カイジンくん。へたっぴさ!欲望の解放のさせ方がへた!カイジンくんが本当に欲しいのは……これ(ガチ割れチケット)。これを十分連コしてるホッカホッカの状態でさ、Pフリーで一発かましたい…!だろ……?」
カイジン「あ…」
店長「フフ、だけどそれはあまりに値が張るから、こっちのしょぼいランダム配置でごまかそうって言うんだ。カイジンくん、ダメなんだよそれじゃあ…!せっかく自己べをぶち抜いてスカッとしようって時に、その妥協は傷ましすぎる!そんなんじゃあかえってストレスがたまる。引けなかった当たり譜面がチラついてさ、全然スッキリしない。心の毒は残ったままだ、自分へのご褒美の出し方としちゃ最低さ!」
カイジン「……。」
店長「カイジンくん。贅沢ってやつはさ……小出しじゃダメなんだ!やる時はきっちりやった方がいい!それでこそ次の節制の励みになるってもんさ!自分へのご褒美さ!違うかい……?」
カイジン「…言われてみれば…たしかにそうかも…じゃあ」
店員B「はいランダムレーンチケットお買い上げ!」
カイジン「…実は、プレミアムコースも」
店員B「はい、プレミアムコースも加入!となると、スタダ一回じゃ全然足りないよねぇ???」
カイジン (うんまー!ふぅー、サイコおおおお!!!
いつも安いステポばっかだからこんなPフリー連コが沁みる、沁みる!!!くうううう!ってスコアが伸びる伸びる!!かあああああ!!)
店員A「…フフ、馬鹿丸出しですね。」
店長「バカだからね、あんなもんよ、今の若いもんなんて。連コし終わったら、奴はとりあえず満足して、こう考えるだろう。明日から頑張ろう、明日から節約だ…と。まあ、その考え方が駄目!明日から頑張るんじゃあない……。今日、今日だけ頑張るんだ。今日を頑張った者、今日を頑張り始めた者にのみ明日が来るんだよ。」
店員B「また一人確保ってことですね!」
店長「ああ、てことになるな…!ここにはこの弐寺以外快楽がない…故に、その誘惑は強烈。一度知ったらもう抗えない。結局のところちょっと1回ってのが大甘なのよ。その1回がこの底辺の更に底辺、底の底へ転がり落ちる最初の一歩…入り口…!」
そして!カイジン、豪遊!3872パセリの散財!!